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個人事業主が提出する通関業許可申請書類のすべて

  • 関根隆啓
  • 2018年5月5日
  • 読了時間: 9分

アクアネッツの関根です。

今日は、私が個人事業主で通関業の許可を受けるに際して提出した通関業許可申請書類のすべてを記したいと思います。

今後、個人事業主で通関業の許可を取って、独立通関士として仕事がしたいと考えている方は参考にしてみてください。

まず、許可申請に係る法令等を確認しましょう。

通関業法第4条(許可の申請)

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第四条 通関業の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した許可申請書を財務大臣に提出しなければならない。

一 氏名又は名称及び住所並びに法人にあつてはその役員の氏名及び住所

二 通関業務を行おうとする営業所の名称及び所在地

三 前号の営業所ごとの責任者の氏名及び第十三条の規定により置こうとする通関士の数

四 通関業務に係る取扱貨物が一定の種類のもののみに限られる場合には当該貨物の種類

五 通関業以外の事業を営んでいるときは、その事業の種類

2 前項の許可申請書には、申請者の資産の状況を示す書面その他財務省令で定める書面を添付しなければならない。

通関業法施行規則第1条(通関業許可申請書の添付書面)

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第一条 通関業法(昭和四十二年法律第百二十二号。以下「法」という。)第四条第二項に規定する財務省令で定める書面は、次に掲げる書面とする。

一 申請者の住民票の写し又はこれに代わる書面及び履歴書(申請者が法人である場合には、その定款、登記事項証明書並びに役員(法第六条第十号に規定する役員をいう。以下この条において同じ。)の名簿及び履歴書)

二 申請者(申請者が法人である場合には、その役員)が法第六条第一号に掲げる者(民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第一項の規定により成年被後見人とみなされる者及び同条第二項の規定により被保佐人とみなされる者並びに民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第百五十一号)附則第三条の規定により従前の例によることとされる準禁治産者を含む。)及び法第六条第二号に掲げる者に該当しない旨の官公署の証明書又はこれに代わる書面

三 申請者(申請者が法人である場合には、当該法人及びその役員)が法第六条第三号から第九号まで及び第十一号のいずれにも該当しない旨のこれらの者の宣誓書

四 通関士となるべき者その他の通関業務の従業者(申請者が法人である場合における通関業務を担当する役員を含む。)の名簿及びこれらの者の履歴書

五 申請者が通関業以外の事業を営んでいる場合には、その事業の概要、規模及び最近における損益の状況を示す書面

六 年間において取り扱う見込みの通関業務の量及びその算定の基礎を記載した書面

七 その他参考となるべき書面

通関業法基本通達4-1(許可の申請)

4-1 法第 4 条《許可の申請》の規定による許可の申請は、「通関業許可申請書」(B-1060)による。

通関業法基本通達4-2(許可申請書の添付書面)

4-2 規則第 1 条《通関業許可申請書の添付書面》の規定の適用は、次による。 ⑴ 規則第 1 条第 1 号に規定する住民票については、申請者が、外国人であって、かつ、国内に居住している場合には、「これに代わる書面」として出入国管理及び難民認定法(昭和 26 年政令第 319 号)第 19 条の 3《中長期在留者》の規定に基づき法務大臣が交付する在留カードの写しとする。 ⑵ 規則第 1 条第 1 号に規定する「定款」及び「登記事項証明書」については、その事業目的に「通関業」との記載がないものであっても差し支えない。 ⑶ 規則第 1 条第 2 号に規定する「成年被後見人とみなされる者」等の用語の意義については、次による。 イ 「成年被後見人とみなされる者」とは、民法の一部を改正する法律(平成 11年法律第 149 号)による改正前の民法(以下「改正前の民法」という。)の規定により禁治産の宣告を受けた者をいう。 ロ 「被保佐人とみなされる者」とは、改正前の民法の規定により心神耗弱を原因として準禁治産の宣告を受けた者をいう。 ハ 「従前の例によることとされる準禁治産者」とは、改正前の民法の規定により浪費を原因として準禁治産の宣告を受けた者をいう。

⑷ 規則第 1 条第 2 号に規定する「官公署の証明書」については、申請者(申請者が法人である場合には、その役員。以下この項において同じ。)が法第 6 条第 1号《欠格事由》の成年被後見人又は被保佐人とする登記記録がないことを証明した東京法務局の登記官が交付する証明書(「登記されていないことの証明書」をいう。)並びに上記⑶イからハまで及び同条第 2 号に該当しない旨の市区町村長の証明書の両方の提出を要する。 ただし、申請者が外国人の場合には、「これに代わる書面」として同条第 1 号及び第 2 号に該当しない旨のこれらの者の宣誓書等とする(この場合の宣誓書については、規則第 1 条第 3 号に規定する後記⑸の「宣誓書」(B-1080)により、法第 6 条第 1 号から第 9 号まで及び第 11 号につき、我が国においてこれらに該当しない旨及び外国の法令上これらと同様に取り扱われていない旨を宣誓させるものとする。)。

⑸ 規則第 1 条第 3 号に規定する宣誓書は「宣誓書」(B-1080)による。 ⑹ 規則第 1 条第 4 号に規定する名簿及び履歴書が必要な「その他の通関業務の従業者」は、後記 22-1⑶(通関業務に関する帳簿の取扱い等)の規定による。 ⑺ 規則第 1 条第 4 号に規定する「通関士となるべき者その他の通関業務の従業者」に「派遣労働者」(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和 60 年法律第 88 号)第 2 条第 2 号《用語の意義》に規定する「派遣労働者」をいう。以下同じ。)が含まれる場合は、当該派遣労働者に係る労働者派遣契約(同法第 26 条第 1 項《契約の内容等》に規定する「労働者派遣契約」をいう。以下同じ。)及び派遣元事業主(同法第 2 条第 4 号に規定する「派遣元事業主」をいう。以下同じ。)の概要(労働者派遣契約については、契約書 の写し。派遣元事業主の概要については、パンフレット等であれば足り、登記事項証明書、決算書等は要しない。)を提示させるものとする。 ⑻ 規則第 1 条第 7 号に規定する「その他参考となるべき書面」とは、次に掲げるものをいう。 イ 営業明細書(B-1070) ロ その他法第 5 条各号《許可の基準》に規定する許可の基準に適合するかどうかを審査するために税関長が特に必要と認める書類 なお、提出を求める書類は必要最小限のものとし、主要荷主等依頼者の推薦状及び委任状といった書類を求めることのないよう留意する。

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以上です。

この法令等を確認して申請書類を準備するのですが、実際にはこれだけでは足りません。なぜかと言いますと、「通関業の経営の基礎が確実であること」と「通関業務を適正に遂行する能力」を証明する書面も必要となるからです。主に法令遵守規則、通関業務手順書、許可後3年間の事業計画書などがそれにあたります。実は、これらの書面が一番大変です。任意に作成する書面ですが、これらの書面を見て通関業監督官に「この人物に通関業の許可を与えて大丈夫だ。」と納得させなくてはいけないからです。これらの書面は申請者が実態に応じて作成しなければならず、コピペなどではいけません。また盛った内容でもいけません。なぜならコピペや盛内容で書面を作成し、提出したとしても許可申請審査のスペシャリストの通関業監督官にはすぐにわかってしまうからです。ですので、ここで私が作成したそれらの書類の中身に関しては、業法第19条に該当することもありますが、私だけに適用されるものであるので記しません。

それでは、実際に提出した申請書類の一覧を記します。

1. 提出書類一覧表(任意)

申請書類の一覧を表にしたもの

2.通関業許可申請書(税関様式B第1060号)

因みに申請者欄の押印又は署名のどちらかを選択できるのですが、私は通関業申請への熱い想いを込めて押印ではなく、署名で申請しました。

3.許可申請理由書(任意)

4.住民票(伊勢崎市)のコピー

5.履歴書(任意)

因みに私は過去に通関士試験に4回合格(受験地はすべて異なる。)しておりますので、通関士試験合格歴を追記しました。余談ではありますが、首席通関業監督官から「関根さん。すべての税関長から合格証書もらったら必ず連絡くださいね笑」と冗談話で盛り上がりました。

6.登記されていないことの証明書(東京法務局)

因みにこちらの書類は地方法務局(私の場合は前橋地方法務局)でも取れます。

7.身分証明書(伊勢崎市)

8.宣誓書(税関様式B第1080号)

9.通関士及び通関業務従業者名簿(任意)

10.履歴書のコピー(任意) パートナー通関士のヨーコさん分

因みにヨーコさんも2回通関士試験(受験地は異なる。)に合格してます。

11.営業明細書(税関様式B第1070号)

12.平成27年~平成29年(過去3年間分)の所得税青色申告決算書(損益計算書と貸借対照表)(税務署の様式)のコピー

13.通関業以外の事業の種類、概要及び規模を示す書面(任意)

14.平成29年の貨物取扱利用見込・実績表(年間)と具体的な算定の基礎を示す書類(任意)

荷主ごとにまとめたものも必要となります。

15.事務所付近の地図(google map)

16.建物賃貸契約書(事務所用)(不動産会社との契約書)のコピー

17.事務所レイアウト(任意)

18.事業経歴書(任意)

19.法令遵守規則(任意)

20.通関業務手順書(任意)

21.従業者等の異動(変更)届(税関様式B第1180号)

22.通関士確認届(税関様式B第1320号)

23.通関士試験合格証書のコピー

私は4枚(東京税関長、函館税関長、横浜税関長、名古屋税関長)出しました。

24.写真

因みにこの写真が通関士証票に使われますので、まぁ、そういうことですよ笑。

25.通関士確認届(税関様式B第1320号) ヨーコさん分

26.通関士試験合格証書のコピー ヨーコさん分

ヨーコさんは2枚(東京税関長、名古屋税関長)出しました。

27.登記されていないことの証明書(東京法務局) ヨーコさん分

28.身分証明書 ヨーコさん分

29.宣誓書(税関様式B第1080号) ヨーコさん分

30.写真 ヨーコさん分

31.許可後3年間の事業計画書(任意)

32.電磁的記録媒体(CD-R又はDVD-R)

警察照会用のCSVデータを作成して記録します。

33.個人事業の開業・廃業等届出書(税務署の様式)のコピー

以上となります。

私の場合、本申請をしてからは宣誓書、営業明細書の軽微を補正しただけで受理されました。

ただ、先ほども申しましたとおり、法令遵守規則、通関業務手順書、許可後3年間の事業計画書などにはしっかり作成することが必要で、かつ、実態に合っていなければなりません。私も事前相談で通関業監督官にそれらの書面を持って行った際には、何点か指摘されました。指摘された場所は必ず検討し、言われたままではなく変更が必要であれば、理由をもって変更ことが必要です。

最後に・・・

私は通関業の相談から許可までに6年の歳月を費やしました。今となってはいい思い出だったと考えるようにしております。

感想としては、最後まで諦めないことが大事だったなぁってことと、一時期「許可なんてもらえるわけない。」と考えて止まりそうな時もありましたが、結局そういう考えでブロックしていた期間は無駄で、そんな余計なことを考えずに一つ一つ問題点をクリアすれば、もっと早く許可をもらえたんではないかということです。

通関業法も大幅に改正され、個人事業主でも許可を受けやすくなっております。

個人で独立して通関士になる時代が来たらいいなぁと「勝手に」考えてます。責任はサラリーマン通関士の時と比になりませんが、正直マジでいいっすよ。その辺も随時発信していきます。

通関士のみんなで議論とか座談会みたいなのがSNS上で出来る日がくればいいなぁ。


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